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第25章

この結果,つまり諸君が私に有罪投票をしたということに対して,アテナイ人 諸君,私が腹を立てていないことについては他にも多くの原因があるが,特に この結果が私には予期していない訳ではなかったということであり,むしろ私 がそれ以上に驚いたのは出て来たそれぞれの票数です。つまり私は票差がこん なに僅かではなく大差になると思っていたのです。しかし実際には,どうやら, もし票のうち30票だけでも別の方に入っていたら,私は無罪放免されていたこ とでしょう。そこでメレトスに対しては,事実上私は無罪放免されたと考える が,無罪放免されただけでなく,誰にも明らかなことは,もしアニュトスとリュ コンが私を訴えるために出頭しなかったならば,彼は票の5分の1を獲得できて いないということで千ドラクマの罰金を払わねばならなかったでしょう。



平成25年2月12日